避妊去勢手術の時期と注意点

 犬と猫の避妊・去勢手術の時期は、5か月~1年以内がベストと思います。

 あまり早すぎても、生殖器の発達が悪くなったり、将来、ホルモン系の病気を引き起こす可能性もあると考えています。

 オスの場合、精巣が2つあるのを確認しましょう。停留睾丸といって、お腹の中に精巣が残っている場合があります。

 それを放置しておくと、中年以降に高率に腫瘍化します。必ず、腹腔内の精巣も摘出することが重要です。

去勢手術のすすめ

 オス犬のマーキング(片足を上げて放尿)は、なわばり意識からくる本能行動です。

 大型・小型犬に関係なく、オス犬であれば必ずこの行動をとります。他の犬に対して、威嚇したり吠えたりする行為も同じです。

 また、オス猫ではスプレー行動になります。

 

 去勢手術をすることで、マーキングや遠吠え、威嚇行為や喧嘩による外傷が軽減されます。

 また、睾丸がん、肛門周囲腺がん、前立腺がんなど、さまざまな病気の予防効果があります。

 さらに、犬の散歩中の交通事故での死亡や怪我の多くは、発情期中のメス犬の匂いを嗅ぎつけ、一目散に駆けつける本能行為で起こることが多いようです。

 こういった、悲しい事故も未然に防ぐことにもつながります。

 

 オス猫の場合、家出や喧嘩による外傷もぐっと少なくなります。

 

 当院では、体内に糸を残さないよう、糸を使わず血管シールをしています。

不妊手術のすすめ

 メス犬は、年に2回(約6か月周期)発情期(生理)を迎えます。発情期間は約2週間あり、この期間中フェロモンを発散させてオスを誘います。

 メス猫では、年に3回発情があり、1か月以上続きます。

 

 この期間は、体調不良やストレスから人間に噛みついたり吠えたりします。普段どんなにおとなしい犬や猫でもこの期間だけは、過敏反応を起こしてしまう犬や猫が多くいます。

 

 避妊手術をすることで、肉体的・精神的なストレスを回避でき、人間にとっての問題行動は、極端に軽減されることが非常に多いです。

 

 また、犬の死因で最も多いのが、「ガン」です。メス犬のガンの約50%が乳腺ガンです。初めての発情期を迎える前に不妊手術をすると、乳腺ガンになる確率は200分の1くらいになり、ほぼ心配の必要がないレベルになります。

 その他にも、子宮摘出をしていれば、子宮蓄膿症、子宮ガン、子宮内膜炎、糖尿病などの予防にも効果があります。

 

 当院では、体内に糸を残さないよう、可能な範囲内で、糸を使わず血管シールしています。

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